役職定年とは何か。50代から人生設計を見直そう

役職定年とは何か。50代から人生設計を見直そう

50代になれば、そろそろ退職後のことを考えるようになるもの。

企業によっては、そんな50代の社員を対象に「役職定年」という制度を設けています。

企業によって少しずつ仕組みが異なり、いくつかのタイプがあります。

ここでは役職定年についてご紹介します。

1.若手にポストを譲るための制度】

役職定年とは、簡単に言ってしまえば「若手にポストを譲る」ための制度のこと。

いわゆる管理職の人が主な対象となっています。

役職定年が存在する企業では、役員を除く部長級・課長級のすべての社員が役職定年制度の対象です。

年齢は企業によってまちまちですが、55歳を役職定年の年齢と定めるのが一般的で、その場合55歳になると「部長」「課長」などの役職を外れることになります。

通常の定年が60歳ですから、その前段階として役職定年が用意されているといえます。

仕事内容は、同一の職場での専門職・専任職が命じられることが多いようで、実際にこなす仕事はそれほど変化しないのが実情です。

定年後は、たとえ同じ会社で働き続ける場合でも「嘱託社員」として再雇用されるケースが多いのに対して、役職定年では会社の社員としての身分は変わらないという点で異なります。

2.なぜ役職定年があるのか

役職定年を迎える55歳の人にとっては、自分はまだまだ現役で働くことができるのにも関わらず、役職を外れなければならないのは納得がいかないと考える方も多いでしょう。

仮に能力が落ちていなくても、年齢という画一的な基準によって決定されてしまう役職定年は、不本意な変化を強いられる制度であるともいえます。

では、なぜ役職定年という制度が存在するのでしょうか。

これには大きく分けて2つの目的があります。

1つ目は、企業・組織の新陳代謝のためです。

若い社員を重用することによって、会社の若返りを図り、結果的に会社を長期的に継続できるのではないかという考えがベースになっています。

若い社員がスキルアップによって昇進できるというチャンスが近づくということは、仕事に対するモチベーションもあがることが期待でき、これは企業にとってもメリットです。

2つ目は、人件費の抑制です。

役職を外すことで、職責に応じて毎月支給していた「役職手当」をカットすることができ、人件費の削減につながります。

この2つは、企業にとってもメリットが大きいため、役職定年という制度が設けられているのです。

3.役職定年後は何と呼ばれるのか

役職定年になると、役職を外されるため、事実上の格下げです。

社内では平社員の扱いになります。

しかしながら、職場は役職定年前と変わらず、仕事内容も同じであることもあり、突如として呼称が変化してしまうのも少々居心地が悪いでしょう。

今まで「部長」「課長」と呼称されてきた場合、急にノンタイトルになってしまうのも違和感があります。

今まで部下だった社員が上司になった場合、部下としてもベテラン社員の呼称・処遇は非常に悩ましい問題です。

また、さらにはモチベーション等にも悪影響が懸念されるため、役職をなくしてしまうのではなく、ほかの呼称をあてる企業もあります。

この呼称については企業によって違いがあり、もちろんそのままノンタイトルにしてしまうこともあれば、「参与」「参事」などの呼称をあてて、これからも社内でアドバイザーなどとして活躍してもらうという意味を明確にしていることもあります。

4.役職定年後の給料

多くの人が気になるであろう、役職定年後の給料はどうなっているのでしょうか。

基本的に役職手当は減額もしくは支給しないこととなっています。

基本賃金に関しては、変わらないところと減額するところが両方存在します。

人件費の抑制も役職定年制度の大きな目的の1つですから、給与は減額されることを想定しておきましょう。

5.役職定年のときこそ、今後の人生設計を

役職定年は、特に会社に長年勤めてきて、愛着のある人にとっては、少し寂しい気持ちになる制度です。

しかし、考え方を変えてみてはいかがでしょうか。

「会社から見放されてしまった」と考えるのではなく、あと数年で迎えることになる定年後の人生設計を、再び考え直してみるいい機会だととらえれば、今後の人生にとってもプラスになります。

「田舎に引っ越す」「長期にわたって海外を旅行する」など、定年後の目標や、新しいことにチャレンジするといった、始めたいことがたくさんあるかもしれません。

しかし、そのためには何をさしおいてもお金がなければ始まりません。

役職定年を機に、貯蓄や、それだけではなく普段はあまり意識することのない保険なども確認し、必要に応じて契約を見直したりしてみましょう。

役職定年は次の人生を考える良い機会

役職定年は、自分の「これからの人生」を考えるに当たっては、絶好の機会です。

この機会を有効活用して、今後の人生設計をより着実なものにすると発想を転換できれば、また新たな、フレッシュな気持ちで仕事に臨めるに違いありません。