退職金には住民税がかかるの?退職金の住民税計算方法まとめ

退職金には住民税がかかるの?退職金の住民税計算方法まとめ

いざ退職する時期になると、退職金がいくらになるのか、また退職金に税金がどれぐらいかかるのか、気になってきますよね。

でも税金の計算ってややこしくてめんどくさそう。

ここでは退職金にどれぐらいの住民税がかかるのかを、具体的な計算方法も示しながらご紹介します。

1.退職金には住民税がかかる?

退職金は老後の生活設計に欠かせない資金ですが、給与と同様に所得税・復興特別所得税・住民税が課せられます。

しかし退職金にかかる税金は、他の所得と比較すると所得控除額や税率などで優遇された内容になっています。

また退職金にかかる住民税は所得税と同様に、他の所得と区別して計算される「分離課税」となっています。

通常の住民税は前年の所得に対する「前年課税」ですが、退職金の住民税は退職のとき「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出すれば、支給額から源泉徴収されます。

但し、以下に該当する人の住民税は課税されません。

①死亡により支払われる退職金。(相続税の課税対象にはなる)

②退職金の支給金額が退職所得控除額より少ない場合。

③退職金を受け取る日の年の1月1日現在に、生活保護を受けている人。

④退職金を受け取る日の年の1月1日現在に、国内に住所を有しない人。

2.住民税を計算するために準備する数値は?

まず住民税の金額を計算するには、「退職金の支給額」を調べることから始めます。

退職金の支給額は各会社の規定によりますので、各自で人事部や経理部等で聞いてください。

次に「勤続年数」を調べ「退職所得控除額」を計算します。

退職金の支給額から退職所得控除額を引いて、それを2で割った数値が課税対象の「退職所得金額」になります。

「住民税」はこの退職所得金額に10%を乗じた金額になります。

住民税はこのように「退職金の支給額」「勤続年数」「退職所得控除額」の3つの数値があれば計算できます。

3.「退職所得控除額」と「退職所得金額」と「住民税」の計算方法は?

「退職所得控除額」の計算方法

①勤続年数が20年以下の場合40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)

②勤続年数が20年超の場合(40万円×20年)+(70万円×20年を超えた勤続年数)

*勤続年数の端数は切り上げて計算します。

*障害者になったことが原因による退職の場合は上記計算額に100万円のプラスになります。


「退職所得金額」の計算方法退職所得金額=(退職金の支給額-退職所得控除額)÷2

*1,000円未満の金額は切り捨てになります。

「住民税」の計算方法住民税=退職所得金額×10%の税率

*10%の税率は、市町村民税(特別区民税)6%と道府県民税(都民税)4%の合算値です。

*100円未満の金額は切り捨てになります。


したがって住民税を一つの式で表すと、「住民税」=(退職金の支給額-退職所得控除額)÷2×10%・・・となります。

4.住民税の計算の具体例

計算に必要な項目の数値は「退職金の支給額」と「勤続年数」と「退職所得控除額」の3つです。

それが解れば、「住民税」=(退職金の支給額-退職所得控除額)÷2×10%・・・の式で求められます。

ここでは退職金の支給額と勤続年数を仮にいくつか設定して、上記の住民税の式に基づいて試算をしてみます。

5.〈例〉-1から〈例〉-4で住民税を試算します

〈例〉-1(退職金の支給額が150万円で、勤続年数が4年8ヶ月)の場合。

勤続年数は切り上げて5年になり、3-①で説明した勤続年数が20年以下の場合の計算になります。

退職所得控除額は40万円×5年で200万円になります。

この場合は1-②で説明した退職金の支給金額が退職所得控除額より少ない場合になり、住民税は課税されません。


〈例〉-2(退職金の支給額が800万円で、勤続年数が14年6ヶ月)の場合。

勤続年数は切り上げて15年になり、3-①で説明した勤続年数が20年以下の場合の計算になります。

退職所得控除額は40万円×15年で600万円になります。

したがって、住民税の式にあてはめると、住民税10万円=(800万円-600万円)÷2×10%になります。


〈例〉-3(退職金の支給額が1,500万円で、勤続年数が25年3ヶ月)の場合。

勤続年数は切り上げて26年になり、3-②で説明した勤続年数が20年超の場合の計算になります。

退職所得控除額は(40万円×20年)+(70万円×5年)で1、150万円になります。

したがって、住民税の式にあてはめると、住民税17.5万円=(1、500万円-1、150万円)÷2×10%になります。


〈例〉-4(退職金の支給額が2、500万円で、勤続年数が37年5ヶ月)の場合。

勤続年数は切り上げて38年になり、3-②で説明した勤続年数が20年超の場合の計算になります。

退職所得控除額は(40万円×20年)+(70万円×18年)で2,060万円になります。

したがって、住民税の式にあてはめると、住民税22万円=(2,500万円-2,060万円)÷2×10%になります。

退職金にかかる住民税を計算してしよう

退職金にかかる住民税を計算するには、とにかく退職金の支給額を調べ、勤続年数から退職所得控除額を計算すれば、意外と簡単に住民税の金額は出てきます。

漠然と予想していた金額よりは、退職金の住民税は優遇されているため、かなり少なかったのではないでしょうか?

また当然かもしれませんが、勤続年数が長い人ほど優遇された税額になります。