再雇用制度の概要まとめ。再雇用制度を詳しく知っておこう

再雇用制度の概要まとめ。再雇用制度を詳しく知っておこう

日本の人口ピラミッドが変化するに伴い、労働をとりまく環境も大きく変わってきました。

それは、国としての社会保障制度を維持し、生産性を維持向上するためには避けては通れない変化になります。

その変化の一つとして現れてきたのが再雇用制度の義務化です。

今回はこの再雇用制度についてご紹介します。

1.再雇用制度とは

再雇用制度とは、定年により退職した場合、または女性が妊娠・出産・育児を理由として退職した場合など、一度雇用契約を終了した人が再び元の企業に雇用される制度を言います。

特に定年により退職した場合に再雇用される制度は法律で義務付けられ、定年後再雇用制度と言います。

2.定年後再雇用制度が出来た経緯

定年後再雇用制度は、2013年の高年齢者雇用安定法の改正で義務付けられることになりました。

内容としては、60歳を下回る定年設定を禁止し、基本的には希望者全員に65歳までの雇用確保措置を導入しました。

つまり、多くの企業の定年が60歳に設定されていた状況に鑑み、60歳以降も働くことが可能になるよう整備することを義務付けたのです。

3.全てのものを再雇用しなければならないのか

再雇用制度は希望者全員を継続雇用しなければなりません。

しかし、次のような場合には継続雇用をしないこともできます。

勤務状況が著しく不良、従業員としての職責を果たし得ないとき、精神または身体の障害により業務に耐えられないとき等です。

また、就業規則に定める解雇事由または退職事由に該当する場合には、継続雇用をしないことを使用者は選択することできます。

他にも、2013年3月末時点において労使協定で継続雇用、再雇用の基準を定めている場合には、3年ごとに1歳ずつ段階的に退職年齢が引き上げられ、2025年には希望者全員を65歳までに雇用しなければなりません。

4.改正の背景、影響

今回の改正の背景には、少子高齢化社会の到来により、厚生年金の受給開始年齢が引き上げられたことがあります。

これに対応するため、厚生年金の受給開始年齢に合わせて退職ができるようにしようとしたのです。

これにより、使用者側としては労働力不足を補うことができるようになる一方、人件費の増加するという一面もあります。

また使用者側としては長く働くことを国の制度として認められたことにより、仕事をすることによる生きがいを実感できる年数が増えることになります。

5.再雇用の注意点

再雇用は今までの雇用形態を一旦清算することにその特徴があります。

ゆえに、そこから見えてくる問題も生じることになります。

ここでは再雇用に当たっての注意点を使用者側と雇用者側で見て行きます。

6.使用者側の再雇用の注意点

①人財を育てるようにする。
改正前までは一定の基準を設け、会社にとって有利な人間のみ再雇用をすれば良かった。

しかし、希望者全員となると中には会社にとって好ましくない人間も含まれることになります。

そこで、社員教育制度を見直して、会社に長期に渡り貢献できる人財を育てることが重要になります。

②本人の希望を聞く
本人の希望を早いうちに聞いておくことにより、会社としても人事戦略を的確にとることができます。

また、定年間近に本人の希望を伺うことは、本人にとってもその人生設計上好ましくないことになります。

③労働条件の見直しを行う
再雇用にあたっては労働条件を見直すことが重要になります。

従前の賃金体系や役職を引き継ぐ形では、どうしても賃金の上昇をおさえられません。

また組織としても新陳代謝ができず、悪循環に陥ってしまうことにもなりかねません。

そこで、しっかりと再雇用の時点で労働条件を見直すことが必要になります。

7.雇用者側の再雇用の注意点

①再雇用されない場合もある
基本的には希望者全員を再雇用することを法律は義務付けていますが、著しく問題があるなどの従業員は再雇用しないことを使用者側は決定することができます。

通常一般の場合は関係ありませんが、再雇用を希望される方は、著しい問題行動などを起こさないことが大切になります。


②労働条件が変わる
一般に再雇用ではそれまでの賃金体系が清算され、新たな労働条件が提示されることになります。

その多くの場合、再雇用前の賃金が大幅に減少することになります。

自身の生活設計などを考えながら、使用者に賃金を含めた労働条件の確認をしておくことが重要になります。


③労働条件の変更に伴う影響
労働条件の変更に伴い、勤務時間や勤務日数が変更されることに伴い、雇用保険や社会保険に加入できないケースも出てくるので注意が必要です。

特に雇用保険に加入できなかった場合には、高年齢雇用継続給付の支給を受けることができなくなります。

再雇用制度について詳しく知っておこう

再雇用制度はメリットもデメリットもありますが、社会の変革には必要不可欠なものになります。

社会を豊かなものにしより良い世の中を築くため、またはより良い人生を一人一人が送れるようになるために、まずは制度のことをしっかりと理解することが大切になってくるのではないでしょうか。