老老介護が起きてしまう原因6つ
最近よく耳にする老老介護とは、介護が必要な高齢者を65歳以上の方が介護している状態のことを言います。 少子高齢化社会の日本においては、この老老介護現象はどんどん進んでおり、さらに加速していくものを考えられます。 そこで今回は老々介護が起きる原因をご紹介します。1.医療の進歩により平均寿命が延びている
医療の進歩により、日本人の平均寿命は年々伸びてきています。 現在、日本人の平均寿命は男性が80.21歳、女性が86.61歳となっており、2050年には女性の平均寿命が90.29歳と90歳を超える予想になっているというデータもあるほど高齢化が進んでいます。 それに伴い、90代の親を60代~70代の子供が介護をするという、自分自身高齢化した子供世代が、より高齢化した親を介護するという現象が起きているのです。 単純に長生きをすることができるようになったことは素晴らしいことです。 しかし一方では高齢化した人々を介護する人も高齢化し、やがては一人で二人、三人と高齢者が高齢者を介護しなければならなくなる時代がくるということを示唆しているとも言えます。 医療の進歩とともに社会保障や介護制度を見直さなければ、医療の進歩が老老介護を増やす原因になりかねません。
2.核家族化
昔の家族は、サザエさん一家のように2世代、3世代で一つ屋根の下に暮らすことが当たり前でした。 それゆえ、老老介護などということになることもなく、子供の世代が年をとった親の面倒を当たり前のようにみていました。 しかし時代の変化から、同居をする親子が減り、親は親世帯で住み子は子世帯で住むのが主流になってきました。 また、未婚の子供しかいないというケースも増えてきており、親元から離れて働いていたりすると、夫婦だけで介護をしていかなければならないという状態が生まれてきます。 こうした理由から、核家族化により老老介護が増えていると考えられます。
3.限界まで自分で頑張ろうとする世代
80代や90代の高齢者は、戦争を生き抜いてきたとても我慢強く頑張り屋の世代です。 「できることは自分たちで」「できるうちは他人の力は借りずに」、自分たちで頑張ります。 気づけば、夫婦二人共80歳を過ぎている超老老介護、という世帯もたくさんあります。 人に頼ろうとする気持ちや、デイサービス、ヘルパーなどを利用するということに負い目を感じてしまい、頑張って何とかしようとしてしまうことも、老老介護が起きてしまう原因です。
4.待機老人が増えていること
介護サービスを利用したくても利用できないという場合もたくさんあります。 今や新しく建てている建物は介護に関係する施設がほとんどというくらい、介護関係の施設は増えていますが、高齢化に伴い老人が増えているわけで、需要が高まるのも当然のことです。 そして、需要に対して供給が間に合っていないため、待機児童ならぬ「待機老人」がたくさんいます。 そのため、施設でのサービスが受けられるようになるのを待つ間に、結果として老老介護になってしまっているケースもあります。 また要介護の段階によって入れる施設と入れない施設というのもあるので、介護の重要度が高くない高齢者は、自宅での介護に頼らざるをえないという現実が見えてきます。 本当はサービスを必要としているのに、利用できない人がたくさんいるということです。
5.金銭的負担がかかる
介護施設を利用するのにももちろんお金がかかります。 そういった費用をどうするかで、自宅で介護をするか、施設に任せるかが決まってくる面もあります。 老後資金をきちんと用意していて、入れる施設があれば話は簡単で問題はありません。 施設に入る資金が不足していたり、介護の資金を子供世代が払っていかなければならない場合は、簡単に施設に任せるということもできません。 自宅での介護の方がお金はかからないのです。 そういった金銭面が原因で、老老介護を選択している世帯もいます。
6.他人を自宅に入れたくない
老老介護に陥る老人の中に多いのが、ヘルパーさんといえど、他人が急に家の中に入ってくることに抵抗があるというケースです。 他人に対する警戒心が強く、騙されるんじゃないかとか、何か盗られるんじゃないかとか、そういった疑いを持っている人が多いのです。 そういった場合、他の家族や子供世代が話をしたり説得をしたりして分かってもらうしかありませんが、多くの高齢者にとって、新しいサービスや人を受け入れにくいといったことは珍しくないことなのかもしれません。 その結果、他人に頼むくらいなら自分が見る、という結論に至ります。