老年症候群とは。老化による肉体的・精神的な疾患

老年症候群とは。老化による肉体的・精神的な疾患

人間は目に見える体と、見えない心をもって生まれてきます。

青年期までは両方とも育っていきますが、やがて体は確実に衰えていきます。

心は青年であり続けても、体の衰えを実感したとき、嫌でも自分の年齢を意識させられます。

体の衰えは、心もむしばんでいきます。

加齢による機能低下によって現れる、肉体的・精神的症状や疾患を総称して、老人症候群と呼びます。

1.老人症候群の特徴と問題点

医学的に言う老人は65歳以上をさしますが、たとえ老化の症状や疾患があっても、多くの方は元気に自立した生活を送っています。

このような状態では問題はないのですが、老人症候群の方々が要看護や要介護になった場合に、大きな問題が生じてきます。

身体機能の衰えは、生活の自立を妨げます。

人間らしく生きることや生活の質を損ね、命に関わることにもなります。

また、看護や介護をする側に立ってみても、最も負担の大きい症状と言えます。

機能低下による様々な症状が、悪循環を繰り返し、大きな問題へと発展していくのも、特徴であり問題点です。

2.老人症候群の精神的障害

加齢にともなう機能低下は、体の各所におこり障害をもたらします。

精神的な障害としては、認知症、せん妄、うつ病などがあげられます。

はっきりとした原因はわかっていませんが、環境の変化や心因的ストレスが、大きく関わっていると考えられます。

憂鬱な状態が長く続き、将来に希望を持てず、引きこもりやうつ病を引き起こします。

特にせん妄という意識障害は、認知症に比べ突然起こることが多いです。

健康な方でも、寝ているところを急に起こされたり、手術後、日時や自分がどこにいるのか分らなくなるのはよくあることです。

しかし、これらは時間とともに正常に戻っていきます。

その意識障害が長く続き、錯覚や幻覚が伴えば要注意です。

せん妄が直接認知症に繋がるわけではありません。

しかし、大きな社会問題にもなっている認知症は、初期の段階で治療を受けると、進行を遅らすのが可能です。

歳のせいと放置せずに、気をつけていきましょう。

3.肉体的障害

移動するときの障害としては、、転倒、骨折、寝たきり等があげられます。

例えば、関節を患い転びやすい症状を放置しておくと、あまり動かなくなり筋肉が低下します。

すると今度は、だんだんと動けなくなり、食事がきちんとできなくなります。

それは、食欲不振につながり、栄養状態が悪くなり、ますます筋力が低下し寝たきりに近づくという悪循環に発展していきます。

寝たきりになれば、褥瘡になりやすく、大きな苦痛をともないます。

排泄関係の障害としては、排尿排便障害、尿や便の失禁があげられます。

特に高齢者には便秘も多く、感覚も鈍くなり失禁に繋がります。

栄養的には、低栄養や食欲のむら、脱水などがあります。

また、不眠やめまいにも悩む方が多いです。

4.老人症候群の予防法

高齢者が病気や骨折で安静状態が続くと、寝たきり状態になる方が多いです。

筋肉は、使わないとハイペースで落ちていきます。

当然、関節の動きも悪くなり、心拍数も落ち、動こうとすればめまいがするという悪循環になります。

寝たきり状態を予防するには、動かすことを考えなければなりません。

そのためには、転倒しない環境を作ったり、高齢者向けの運動や体操も考えられています。

動けない方は、起き上がる時間を増やしましょう。

動かせる部分を動かすよう、共助してもらうだけでも予防になります。

また、脱水状態にならないよう、こまめに水分を取りましょう。

高齢者は、体内における水分貯蓄量が少ないのです。

その上に、口やのどの渇きが感じにくくなっています。

水分をとるようこまめな声掛けと、下痢や発熱などの脱水原因がないか注意しておきましょう。

認知症を予防する方法としては、魚、野菜、果物を多くとり、栄養バランスの良い食事を心がけ、よく噛んで食べることが基本的なこととして挙げられます。

生活習慣病を無くすのが、最も良い予防方法です。

定期的に運動し、文字を読んだり、文章を書いたり、頭をよく使うのも効果的です。

老年症候群を事前に防ごう

老化による機能低下は避けることのできない問題であるだけに、老人症候群の内容をよく知り、治療よりも予防に努めることが大切になってきます。

いつまでも、質の高い自立した生活を目指して、まず自分自身を知ることから始めましょう。