認知症の周辺症状まとめ【徘徊、盗難被害妄想、幻覚、暴力】

認知症の周辺症状まとめ【徘徊、盗難被害妄想、幻覚、暴力】

認知症には中核となる症状の他に、周辺症状が付随して行動の変化が出てきます。

中核症状と周辺情報をまとめて考えるとわかりにくいのですが、別のものと考えれば対処しやすくなるケースも見られます。

そこで、中核症状は異なる、認知症の周辺症状をご紹介します。


1.認知症の中核症状

先に認知症の中核症状を理解していると周辺症状との区別がしやすくなります。

最も目立つのは記憶障害で、記憶できないとか思い出せないという症状です。

次に多いのは見当識障害で、日付がわからなくなるとか場所がわからなくなる症状をいいます。

判断力が低下するのも中核症状で、日常生活では判断をして何かを決めることで、それに向けた行動をとるのですが、判断(決めること)ができないことで行動もできなくなる症状のことです。

単純にいうと、レストランにいってもメニューが決まらないから食べられないというイメージです。

これらの中核症状が原因となって様々な周辺書状が起こりますので、関連づけて理解するようにしましょう。

2.見当識障害から起こる徘徊

認知症で起こる問題行動に徘徊があります。

自分で出かけても自宅に戻ることができなくなります。

認知症になると多動といってじっとしていることができなくなり、常道行動のように部屋の中など同じ場所をぐるぐると動き回る行動をとる人が多くなります。

初めは何か目的があって屋外に出た認知症高齢者も、歩いているうちに何が目的なのかがわからなくなり、目的地にも自分がいた場所にも戻れなくなるケースも見られます。

疲れに対しても感覚が鈍くなる傾向が出ますので、わからなくなってもどんどん歩き続けて遠くまで移動してしまう人もいます。

夏だと熱中症で倒れるリスクがありますし、見当識障害は道路とか線路でも注意力が散漫になって危険を感じる機能が鈍くなるので、交通事故などの危険性も出ます。

現在は年間1万人程度の認知症高齢者が、徘徊によって行方不明になっていると発表されているほど、代表的な周辺症状です。

3.盗難被害妄想

認知症の人が「財布をとられた」と言うことはよくあります。

実は、お財布などの貴重品も大事だと思ってしまいこんでしまうのですが、自分でどこに隠したのかを忘れてしまうことから「盗まれた」と言ってしまうのが、この盗難被害妄想です。

認知症の周辺症状としては、徘徊の次に代表的なものだと言っていいでしょう。

中には捜し物をしているうちに怒りがわいてきて、感情失禁を起こすケースもあります。

自分では感情のコントロールができず、激しく感情を表現しますので近親者でも対応しきれません。

4.幻覚が見える周辺症状

認知症にはいくつかのタイプがありますが、その中でも幻聴の周辺症状を起こしやすいのはレビー小体認知症だと言われます。

アルツハイマー病とは違う認知症で、2番目に患者数が多いことで知られるようになりました。

レビー小体認知症の幻覚は、とてもリアルに見えるということで、その恐怖感から警察や消防に電話で助けを求める高齢者もいるほどです。

知らない人がいる・布団に誰かが入っているという幻覚のほかに、子供の声が聞こえるなどと幻聴を訴えるケースもあります。

5.暴力を振るう周辺症状

認知症の中には感情のコントロールができない感情失禁を起こす人がいますが、その中には暴力を振るってしまう人もいます。

男性の認知症患者に多いと言われていましたが、性別に関係なく、自分の望むことが説明できないとか、何か不満を持っていることを暴力で表してしまうのです。

傾向としては男性は殴るとか蹴るような暴力が多く、女性では噛みつく・ひっかくといった暴力が目立ちます。

暴力に伴って暴言を周囲にぶつけることもありますので、ご家庭でも介護施設でも人間関係が保てなくなることが多いです。

6.落ち込んだように見えるうつ病も周辺症状

暴力とは対照的で、外側ではなく内側に向かってしまうのがうつ病です。

認知症の周辺症状でもあり、老人性うつ病という言い方をする場合もあります。

認知症とうつ病の関係は非常に難しく、認知症だと思っていたらうつ病だったという患者さんもいて、治療によって回復したケースもあります。

年齢を重ねていくうちにできないことや苦手なことは増えるものですが、本人には「どうしてこんなこともできないんだろう」と落ち込みの気持ちが芽生えてしまいます。

それが発端となってうつ病になっているケースと、認知症の周辺症状として出るうつ病では対処方法が根本的に異なるのです。

認知症もうつ病も、精神科で受診することになりますので、医師と十分に相談しましょう。

認知症の周辺症状を知ろう

周辺症状と中核症状の両方を知っていると、どのような対処をすると良いのかが考えやすくなります。

また、周辺症状に悩んでいても、その原因となる中核症状がわかれば、家族も納得して介護ができるでしょう。

理由がわからない症状や行動は、いくら家族でも受け入れがたいので、理解することは大事なプロセスになります。