高齢者が塗り絵をすることのメリットや効果とは

高齢者が塗り絵をすることのメリットや効果とは

少し前まで「塗り絵」というと子供の遊びというイメージがありましたが、ここ最近「大人の塗り絵」という言葉をよく耳にしませんか?

書店に行くと趣味のコーナーなどに、この「大人の塗り絵」コーナーがあったりするぐらいです。

そしてこの塗り絵、高齢者施設においてもレクリエーション活動の1つとしてよく取り上げられています。

では、この塗り絵、高齢者にとってどんなメリットや効果があるのでしょうか?

1.脳全体を活性化させる

塗り絵が何故最近高齢者施設におけるレクリエーション活動に取り上げられるようになってきたかと言うと、実は脳全体を活性化させ、脳を若返らせてくれるからです。

まず塗り絵の下絵を目の前にすると、人はどのような絵かを認識しようとします。

そこで働くのが脳の後ろの部分である後頭葉です。

そしてその下絵を認識しながら、過去に自分が見てきた形や色を参考にしようと記憶を思い出そうとします。

そこで働くのが脳の側面部分である側頭葉です。

次にその下地全体のバランスを考え、どこに何が描かれているかを把握し、その構図を覚えるのが頭頂葉です。

そしてこのように整理が出来たら、これらの情報が前頭葉に送られ、その情報をもとに前頭連合野を働かせ「ここは何色に塗ろうか?」「ここはどんな感じで塗ろうか?」など考え、その考えに従って前頭運動野を働かせて手を動かしていきます。

このようにただの塗り絵のようですが、脳全体を柔軟に活性化する事ができ、脳の老化を喰い止める効果が期待できます。

2.童心に帰れる

ほとんどの人が子供の頃に塗り絵をした経験があるでしょう。

塗り絵をする事で子供の頃に戻れたような感覚になれるのです。

この「懐かしい」という気持ちが脳にとってとても良い効果があると言われています。

認知症のリハビリの1つに「回想法」というリハビリがあります。

これは認知症の方に昔を思い出して、グループや1対1で話して貰う方法です。

この昔の記憶を思い出すという行為の際に、脳の海馬や前頭葉を活発に刺激する事で、認知症の進行を喰い止める事が出来ると考えられているからです。

回想法はそこで昔を思い出し、それを人と話すというコミュニケーションが加わるので更なる脳へのメリットが期待されています。

他にもアルバムを見て若かりし頃の事を思い出したり、そこで話しに鼻を咲かせる事はとても脳を安定させるとも言われています。

よってこのように塗り絵には「懐かしい」という思いに浸らせてくれ、脳を若返らせる、安定させる効果があるのです。

「大人の塗り絵」の中には昔を思い出させてくれるような、懐かしい下絵がたくさん販売されています。

3.リラックス効果がある

大人になると、なかなか無心になれる瞬間というのが無くなっていくでしょう。

ですが、この大人の塗り絵は子供の塗り絵に比べて緻密であったりします。

たとえ子供の塗り絵を使うとしても、大人になると子供の頃よりは「どのように塗ろうか?」「キレイに塗りたい」と緻密に考えてしまう事でしょう。

このように塗り絵の世界に没頭する事で、その時間は雑念が抜け無心になる事が出来ます。

無心になる事はかなりのリラックス効果が見込めます。

ストレスは脳にとって一番の大敵と言っても過言ではなく、そのストレスから一時的にでも解放されるというのはかなり大きなメリットです。

塗りかけていく、塗り終わった塗り絵は色が入り視覚的にも美しいものでしょう。

このように美しい物を自分の手で手がけ、それが目の中に入ってくるというのもとてもリラックス効果があります。

4.手軽で簡単

このように脳にとってメリットの多い塗り絵ですが、たとえメリットが多くても続けられないような事だと意味がありません。

その点においても塗り絵はとても手軽で簡単です。

お金もかかりません。

運動も高齢者にとって大切なレクリエーションですが、外でする運動なら天候に左右されますし、室内の運動でも体調の具合によっては厳しかったりもします。

運動でなくても、例えば編み物のように手先を複雑に動かしたり視力が問われるような事だと、なかなかハードルが高くなってしまい続かないという人も多いでしょう。

ですが、塗り絵なら安い値段で簡単に手に入れる事ができ、色鉛筆と台さえあればいつでも取り組む事が出来ます。

又終った後の片付けも簡単なので、負担にならず続ける事が出来るのです。

大人の塗り絵を始めてみよう

最近、高齢者施設や老人会において、この塗り絵やあと折り紙のレクリエーションが盛んに取り上げられています。

塗り絵にしても折り紙にしても「子供の遊び」というイメージが強いのですが、昔からある懐かしの遊びにはこんなに素晴らしい効果が秘められているのです。

子供の頃とは違った気持ちで、又子供の頃に戻った気持ちで、塗り絵を始めてみるのも素敵かもしれません。