高齢者が肺炎になる原因と対策まとめ。肺炎を予防しよう
現在高齢者の死亡原因でガンを除くと、肺炎での死亡率は上昇傾向になります。 肺炎と聞くと風邪をこじらせたものと想像する場合が多いのですが、高齢者独特の理由があります。 そこで、高齢者が肺炎になる原因と対策についてご紹介します。1.抵抗力の低下による風邪の悪化
高齢者は徐々に外出の機会や運動力の低下により筋肉量が減少し、ちょっと動いただけで息切したり疲れを感じたりします。 そのまま動く事が億劫になり益々外出しなくなるという悪循環になると、ロコモティブシンドロームになってしまいます。 ロコモティブシンドロームはこうして動けなくなっていく高齢者の原因として、近年問題視されています。 適度に動いてある程度の生活が維持できるように日頃から体を動かしていないと、肺の機能が低下し風邪をひきやすくなります。
2.肺炎球菌の感染による発病
最近では、啓もう活動の一環で肺炎球菌ワクチンの接種を促すコマーシャルがテレビで流れています。 肺炎球菌は珍しい菌では無く、喉や鼻などにいる常在していると言われています。 通常では体に悪さをする事がありませんが、何かの原因で免疫が下がったりインフルエンザなどにかかったりすると発症する事で知られています。 高齢者は風邪やインフルエンザの感染などで免疫が低下すると、特に発症しやすいので注意が大切です。
3.原因3:誤嚥による肺炎
高齢者独特の理由として最もおおきな比重を占めているのが、この誤嚥による肺炎です。 高齢者は喉の嚥下能力が低下していく事により、徐々に食べ物が飲み込み難くなります。 食事の最中にむせたり喉に詰まらせたりする事が嚥下機能の低下を表していますが、実は食事以外の就寝中でも唾液を知らずに誤嚥して肺に炎症を起こしたりするケースが多く見受けられます。 眠っている間、本人も全く気付かない内に唾液が肺に入り、炎症を起こしてしまいます。
4.基礎体力の強化しよう
まず基礎体力をつける為に、毎日散歩をする事は体にも体力強化にも良い事です。 また、外の空気を吸う事で肺も元気になります。 何より四季の移り変わりを感じながら歩く事で、精神的にもリフレッシュされます。 心が癒されますし、精神的に若返る事ができます。 散歩や体を動かす事で基礎体力維持させながら筋肉も鍛えられ、本来体の持っている生活サイクルが順調に動くようになります。 食欲も増え夜もよく眠れるようになり、意欲が持てるようになります。 精神的にも肉体的にも、肺炎になりづらい体になるのです。
5.ワクチン接種をしておこう
肺炎球菌ワクチンは勿論の事、インフルエンザなどの予防接種は必ず受ける様にします。 予防接種を受けたからと言って肺炎かからない訳ではありませんが、症状を穏やかにする効果が期待できます。 なるべくかかっても体力消耗を最小限にとどめる事ができます。 また、高齢者は肺炎になっても熱が出ない場合があります。 少しでもおかしいと感じたら、医療機関への受診を躊躇してはいけません。
6.嚥下機能訓練をしよう
人間は加齢と共に体の機能が衰えてきますが、機能訓練をする事である程度衰えの速度を緩める事ができます。 嚥下機能が衰えて食事中にむせたり、咳をしずらくなってきたりと感じる前から、毎日少しずつでも続けていくと効果が期待できます。 方法は簡単で、毎日ゆっくりと腹式呼吸による深呼吸をする事で、鼻から息を吸い込み口をすぼめてなるべく長く息を吐きます。 お腹に手を当てて腹式になっているか確認する事が大切です。 次に、首回りの緊張を解くために、肩の上げ下げの運動と首をゆっくり左右に回します。 そして、頬を膨らましたり引っ込めたりを繰り返します。 最後に、舌を口の外に出るくらい伸ばし、左右に動かす運動をする事で終わりです。 誤嚥を防ぐ運動なので食事前にすると効果が上がります。
7.肺炎対策を習慣化できる環境を作ろう
対策はその場で終わりにするのではなく、習慣化して続ける事が大切です。 日頃のケアがしっかりしていれば、自分の体の変化や不調にすぐ気づく事が出来ます。 何より、自分自身で対処出来る事ばかりなので人の手を煩わせる事がありません。 予防接種などは記録していれば、うっかり忘れる事もなく安心です。 インフルエンザは毎年接種が可能ですが、肺炎球菌ワクチンの注射は5年間有効なので、接種した時期を記録しておくと便利です。 一人で維持させる事が大変と感じるなら、デイサービスか、もしくはかかりつけ医に相談するという方法があります。 何より大切な事は、日頃から色んな人と接点を持つという事です。 散歩や外出も一人で出かける事も良いですが、気の合う人と一緒に出掛ければまた違った楽しみになりますし、長続きします。 自分の健康を第三者からアドバイスをもらう事もできて、お互い情報交換の場に出来れば、そういった一連の生活習慣から肺炎を遠ざける事が出来ます。 また、中々外出が難しい人は、家族や周りの人が体や様子の変化に気を配る必要があります。 いつもより元気が無い、何となく息苦しそうに見える場合は、熱が無くても医療機関の受診をお薦めします。
高齢者が肺炎になるのを予防しよう
高齢者は若い時に比べて、どうしても自分で自分の身体の変化に気づきにくいものです。 もしご自分で体調が悪いと思ったときや、周りから見て悪そうだなと思った時には、すぐに病院へ行きましょう。