国民年金の差し押さえ対象になる人の条件とは

国民年金の差し押さえ対象になる人の条件とは

主に自営業者の方が高齢になった時に頼らなくてはいけないのが、国民年金です。

しかし、「本当に年金をもらえるのか?」と言った根本的な不安から、若い世代を中心に未納率の高さが常々問題になっています。

そこで厚生労働省は、2014年春から悪質な国民年金の未納者に対して、国民年金保険料の強制徴収に乗り出すことを発表しました。

その中身は、預貯金口座や自営業者の売掛金の差し押さえにまで言及する、これまでにない強硬手段を踏まえたものです。

そこでどのような時に国民年金の差し押さえになる可能性があるのかについて、順を追ってご紹介します。

1.特別催告状が届いた

2014年度から、「所得が400万円以上、かつ13か月以上滞納している者で、たび重なる督励にもかかわらず納付する意思のない者」について、差し押さえを含む強制徴収が行われることになりました。

「特別催告状」はその第一弾で、納付期限が時効になっていない年金保険料未納分がある対象者、原則全員に送られます。

結論から先に申し上げますと、この「特別催告状」に従わなかったことで、すぐに差し押さえになることはありません。

これは、「とりあえず、年金事務所まで来て相談してください」という内容です。

もしかしたら、国民年金保険料の免除制度を知らないまま未納になっている人や、具体的な納付計画を立てれば納付できる人がいるかもしれないからです。

「特別催告状」が届いたら、まずはお近くの年金事務所へ行って相談することをオススメします。

2.最終催告状が届いた

保険料の納付期限から1年以上経過しても支払いが行われなかった場合、赤い「最終催告状」が届きます。

2014年度春時点ですでに保険料滞納期間が1年を経過していた未納者に対しては、「特別催告状」を飛ばして「最終催告状」が送付されました。

この「最終催告状」に従わなかった場合でも、まだ差し押さえには至りません。

しかし、この「最終催告状」が、自主的な納付を促す最後の機会となるとともに、「指定期限までに納付されない場合は、法の定める滞納処分を開始する」旨がしっかり明記されており、強制手続きへのスタートになります。

実際には、並行して電話や戸別訪問により支払いを促す手続きも取られているようです。

この段階ではまだ、延滞金も付きません。

納付計画による納付ができる最後のチャンスになりますので、必ずお近くの年金事務所へ相談に行ってください。

3.督促状が届いた

「最終催告状」に記載された期日までに何も動きがなかった未納者に対しては、故意に納付の意思がない者とみなされ、財産調査が行われ「督促状」が送られてきます。

「督促状」はこれまで送られてきていた「催告状」とは異なり、法的な強制力を持っています。

年金債権に対する時効の中断の効力を持ち、本来の納付期限から計算して14.6%の延滞金が課せられることになります。

つまり「督促状」が届いたら、いわゆる「逃げ得」ができる可能性は限りなく少なくなるということです。

時効を中断させるために、「督促状」は遅くとも保険料の最初の納付期日から2年以内に届きます。

なお、督促の段階に入ると認められるのは本来の保険料と延滞金の一括納付のみで、分割での納付は認められません。

4.差し押さえ

「督促状」に記載された期日までに保険料の納付がなく、かつ財産調査の結果支払い余力があるとみなされた場合「差押予告」が送付され、実際の差し押さえが始まります。

具体的には、流動性の高い銀行などの預貯金が差し押さえられ、それでも足りない場合は有価証券や自動車など、換金性の高いものが対象になるとされています。

「最終催告状」送付から差し押さえまでの期間は、およそ2年ということです。

5.連帯納付義務者

国民年金法内8条において、「世帯主と配偶者は保険料を連帯して納付する義務を負う」とされていますので、たとえ本人の所得が400万円未満でも、世帯主や配偶者が400万円以上の所得がある場合、未納者同様に年金保険料の差し押さえの対象となる可能性があります。

その場合の催告・督促や差し押さえは、本人ではなく連帯納付義務者である世帯主や配偶者が負うことになります。

連帯納付義務者として催告・督促の対象になった場合は、早めに納付者本人に年金事務所へ行ってもらい、納付手続きを取ってもらうことをオススメします。

6.対象者は増える?

現在の強制徴収の対象者は、前述のとおり「所得が400万円以上、かつ13か月以上滞納している者」という線引きがされています。

特に所得額が1000万円を超える人に対しては、厳格に対応します。

またその基準も、2018年度までには「所得300万円以上、かつ7か月以上の滞納者」と引き下げられることになっており、今後は200万円以上まで引き下げれていくことが予想されています。

所得が200万円未満の未納者は、何らかの形で免除の申請ができる可能性が高いため、そのような対応になるものと予想されます。

7.マイナンバーとの関係

マイナンバー制度が本格的にスタートすると、個人の収入と社会保障情報が紐付けされますので、これまでは個別に市区町村に問い合わせていた本人や連帯納付義務者の所得情報が厚生労働省事態で把握できるようになります。

2018年度以降は預貯金にもマイナンバーを紐付けると言われておりますので、資産状況まで把握できるようになる可能性もあります。

つまり、調査事務が大幅に簡素化できることになり、それにより強制徴収が今以上に強化される可能性があります。

ただし現状では、日本年金機構の情報漏えい事件を受け、原因究明と十分なリスク管理が実現できるまでは年金分野でのマイナンバー制度の利用が凍結されたため、実運用に関しては当分先の話になりそうです。

国民年金の差し押さえを防ごう

国民年金の支払いが強制になっていたことに最近気づいた人も少なくないのではないでしょうか。

差し押さえ、という形にならないように、勧告書が届いた時点で支払うようにしましょう。